うぐいすが「ホー、ホケキョ!」とさえずりの練習を始め、春の雷が鳴り出し、虫たちも眠りから這い出して飛び回り、賑やかな季節になってきました。
庭のさくらんぼの木は満開。近所にある日本一の樹齢を誇る神代桜の開花も目前です。
毎年恒例の踏み込み温床(夏野菜の苗を育てるために発酵熱で保温する苗床)の仕込みは、今年もたくさんの人との関わりを生んでくれました。
SNSなどで発信しているおかげか、視察したいという声を頂き、甲府の方から農家さんが来てくれてご自分でも実践されたり、同じ北杜市内でも今年から温床づくりに挑戦したいという農家さんのところで手助けさせていただいたり、、着々と仲間が増えていく事がとても有難く感じています。
ふうしかさんの畑にて八ヶ岳をバックに
温床の作業は落ち葉が落ち始める冬に入ったころから始まります。近所の山に入って大量の落ち葉をかき集めます。
そして稲わらカット。去年収穫した稲わらを押し切りという昔の道具を使い3等分にしていきます。
籾殻は近所のお米農家さんが処分に困っているというので大量に頂き、米ぬかも近所のコイン精米機や農協の直売所から大量にもらうことができます。できるだけ地域で出る資源を活用することを意識しています。
落ち葉と藁ともみ殻と米ぬかの配合は毎年同じにしており、落ち葉:藁:もみ殻:米ぬかの容量が10:10:1:1としています。
温床の枠は合板と角材で作り、何年か使います。枠の底の地面には点穴を開けて水がたまらない施工をし、さらに竹を敷いて空気層を作ります。水がたまるようだと温度が持続しないためです。
3月になると、いよいよ温床づくりの始まり!4日間かけて仕込みます。
1日目は全ての材料をかき混ぜる作業。容量にして400Lの落ち葉と400Lの藁に大量の水をかけながら、米ぬかともみ殻とともに均一に混ざり合うよう、時間をかけてかき混ぜます。
混ざった材料を山積みにすると、まるでオームのような雰囲気です。実際、無数の微生物の塊なので一つの生命体のようなものかもしれません。
このままシートをかけて一晩置いておくと醗酵が始まり、微生物の活動により熱が起こります。そのまま3日ほど置くと微生物の活動はピークに達し、温度計を挿すとなんと70℃以上になっています。この状態の醗酵は好気醗酵といい、酸素が好きな微生物たちが爆発的に働いて材料を食べ、代謝によって熱が発生します。
温度計が振り切る
70℃という温度では熱すぎて保温どころではないのと、一気に分解が進んで分解が終わると温度が急降下します。そこで、目的のレベルまで温度を下げるために、材料を枠に入れて足でギュッギュッと踏み込みます。踏み込むことで酸素の量が程よい感じになり、微生物の活動も程よく長続きするというわけです。
材料を踏みこみ、土をかぶせて完成
程よい酸素量でじわじわと続く発酵熱は、約3か月間持続し、夏野菜の育苗期間3月~5月までの間、寒い夜でも20度弱を保つことができます。
一斉に芽を出す真黒(しんくろ)なす
この踏み込み温床の何がそんなにイイのかというと、無駄が全くなく、良いことしかない!ということです。
山の落ち葉を大量に集め、大量の稲わらをカットし、大量のもみ殻と米ぬかを集め、全てを混ぜ合わせて発酵させて木枠に踏み込む。とても大変に思えます!
ただ、一度やると決めれば、今や使われなくなってしまった里山の資源の活用になり、どうしても必要なたくさんの人の手を借りることで、思いもよらなかった繋がりや人の輪が広がります。
電気や石油に頼らず、微生物の熱で加温することができるので、何かあったらという心配がなく、
温床として醗酵を終えた落ち葉や藁は最後は土になって種まきの土にでき、新たな命を育みます。。などなど、挙げればきりがありません。
シーズンが終わり、枠から出して山積みにし、さらに分解を進める
温床を2年寝かせた土で作った培養土で育つレッドオークリーフレタス
こちらはキャベツ
この輪が今後も広がっていく事を切に願います。
(今年はぴたら村の菜園クラブも盛り上がっているようなので、来年は村民の参加者も募集します~)
そして、そんな春の一大行事が終わったところで風邪でダウンしました笑 ちょうど雪がたくさん降ってなにもできないタイミングだったので、4日間おもいっきり寝込み、なんとか回復。春は体調を崩しやすいので、なるべく体に負担の無い食事を心がけて、季節のものをいただいて冬の間に溜まった毒を出しましょう♪

2025/03/28 23:30